社内恋愛狂想曲
「会ってみたいって……もうみんな何度も会ってますよ」

「……え?何度も会ってる?」

「はい、昨日入籍したあとに写真館で撮った写真のデータを送ってもらったのがありますけど……見ますか?」

瀧内くんはその画像を画面に映し出してテーブルの上に置いた。

一体誰なのかとみんなでスマホの画面を覗き込み二度見する。

「えっ、ホントに?!」

「マジか……!!」

「嘘やん……!」

「玲司の初恋の人って……小野だったのか!」

私と伊藤くんと葉月よりひときわ驚いた潤さんが思わず大きな声をあげると、瀧内くんはうなずいてスマホをポケットにしまう。

「そうですよ。里美さんが僕の初恋の人で、僕が唯一好きになった女性で、今は僕の妻です」

瀧内くんは4年生のときに潤さんの高校のバレー部の練習試合を見に行って里美さんと出会い、一目惚れしたそうだ。

そして自分もバレーをやれば里美さんに近付けるのではないかと思い、小学校のバレー部に入部してエースにまで上り詰めた。

けれど、潤さんと里美さんが高校のバレー部を引退すると会う機会がほとんどなくなり、卒業するとまったく会えなくなって、中学でも一応バレー部に入部したものの、何を目的に頑張ればいいのかわからなくなって退部したと言った。

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