クールな次期社長と愛されオフィス
部長は椅子に深く腰掛けると書類に目を通し、その後は真剣な眼差しでパソコンに向かっていた。
紅茶のお礼も言いたいけれど、仕事に向かう部長の姿は簡単に声をかけられないような空気をまとっている。
さっきソファーにいた無防備な部長とあまりに対照的で私のドキドキはずっと続いていた。
いつ声をかけようかタイミングを見計らっていたら、部長がふいに顔を上げて目が合った。
不覚にも顔が熱くなってしまい慌てて目を逸らす。
「なんだ?話があるなら先に言えよ。さっきからちらちらお前の視線が気になって仕事に集中できない」
「あ、すみません。先日頂いた紅茶、ありがとうございました」
「紅茶?」
一瞬首をかしげたけれど、すぐに「ああ」と言って頷いた。
「あの紅茶淹れてみたか?」
「はい、日本製の紅茶は実は初めてでしたがすごく芳醇で品がよくておいしかったです。あんな味が日本で作れるのかって驚きました」
「そうか。それはよかった。日本で作れる、んじゃなく日本だから作れるんだ」
「え?」
「日本人にとっては日本の風土と日本の水で淹れる紅茶が一番うまい。当たり前のことだ」
部長は足を組み、私を試すような表情で口元を緩めた。
せっかくお礼言ってるのに、やっぱり偉そうなんだから。
さっきの無防備な顔、撮影しておけばよかった!
そう思いながらも、部長の言ってることは理にかなっていた。
気を取り直して本題にうつす。
「それで、早速頂いた紅茶葉を使って日本製の乾燥フレーバーと合わせてブレンドティを作ってみたんですけど、お淹れしてもいいでしょうか?」
「ああ、もちろん」
そう言うと、部長はまたパソコンに向かった。
紅茶のお礼も言いたいけれど、仕事に向かう部長の姿は簡単に声をかけられないような空気をまとっている。
さっきソファーにいた無防備な部長とあまりに対照的で私のドキドキはずっと続いていた。
いつ声をかけようかタイミングを見計らっていたら、部長がふいに顔を上げて目が合った。
不覚にも顔が熱くなってしまい慌てて目を逸らす。
「なんだ?話があるなら先に言えよ。さっきからちらちらお前の視線が気になって仕事に集中できない」
「あ、すみません。先日頂いた紅茶、ありがとうございました」
「紅茶?」
一瞬首をかしげたけれど、すぐに「ああ」と言って頷いた。
「あの紅茶淹れてみたか?」
「はい、日本製の紅茶は実は初めてでしたがすごく芳醇で品がよくておいしかったです。あんな味が日本で作れるのかって驚きました」
「そうか。それはよかった。日本で作れる、んじゃなく日本だから作れるんだ」
「え?」
「日本人にとっては日本の風土と日本の水で淹れる紅茶が一番うまい。当たり前のことだ」
部長は足を組み、私を試すような表情で口元を緩めた。
せっかくお礼言ってるのに、やっぱり偉そうなんだから。
さっきの無防備な顔、撮影しておけばよかった!
そう思いながらも、部長の言ってることは理にかなっていた。
気を取り直して本題にうつす。
「それで、早速頂いた紅茶葉を使って日本製の乾燥フレーバーと合わせてブレンドティを作ってみたんですけど、お淹れしてもいいでしょうか?」
「ああ、もちろん」
そう言うと、部長はまたパソコンに向かった。