クールな次期社長と愛されオフィス
翌朝、朝一で社長と部長は一対一の大事な戦略会議を控えていた。
いつもよりも早めに出社し、会議室を整える。
部長に言われていた新事業を進める上での大事なデータも打ち出し、机上にセットした。
普段忙しい部長と社長の予定を合わせるのも至難の業だったけれど、マリカ先輩の助けもあって何とか今日の朝一を押さえることができた。
時計を見るともうすぐ会議の始まる9時。
なのに、まだ部長が出社する気配がない。
こんな日に遅刻なんて絶対許されないんだから。
秒針の音がやけに耳につく。
その時、部屋の電話が鳴った。
慌てて電話に出ると、やはり部長からだった。
「堂島か?」
「はい、もうすぐ会議が始まりますが今どちらに?」
「実は、新事業に関わる業者の生産工程でトラブルがあったらしい。来週にはその試作品を送ってもらう予定のものだから、これから緊急調整に入らなければならなくなった。社長には申し訳ないがその旨伝えておいてくれ」
「えっ、あ」
私の返事も待たずに電話は切れた。
嘘でしょう??
パニックで頭が真っ白になる。
と、とりあえず、マリカ先輩に相談しなくちゃ。
慌てて会議室を出ようとしたら、ノック音が響き扉がゆっくりと開いた先に社長が立っていた。
えー!もう来ちゃった!
社長は、部長とは兄弟だけど、目元以外は全く似ていなかった。
背の高い部長とは違って背も低く、少し太っている。
私の目線のすぐ上から社長の鋭い視線が私をギロリと睨んだ。
その視線は私の頭上を通り抜け部屋の中へ向けられる。
部長がいない事実に気付いた社長は明らかに口元をゆがめた。
「あいつはまだか」
「は、はい、あの申し訳ありません!」
あまりに怖い形相で見ていられない私は社長から視線を逸らすべく頭を深々と下げた。
いつもよりも早めに出社し、会議室を整える。
部長に言われていた新事業を進める上での大事なデータも打ち出し、机上にセットした。
普段忙しい部長と社長の予定を合わせるのも至難の業だったけれど、マリカ先輩の助けもあって何とか今日の朝一を押さえることができた。
時計を見るともうすぐ会議の始まる9時。
なのに、まだ部長が出社する気配がない。
こんな日に遅刻なんて絶対許されないんだから。
秒針の音がやけに耳につく。
その時、部屋の電話が鳴った。
慌てて電話に出ると、やはり部長からだった。
「堂島か?」
「はい、もうすぐ会議が始まりますが今どちらに?」
「実は、新事業に関わる業者の生産工程でトラブルがあったらしい。来週にはその試作品を送ってもらう予定のものだから、これから緊急調整に入らなければならなくなった。社長には申し訳ないがその旨伝えておいてくれ」
「えっ、あ」
私の返事も待たずに電話は切れた。
嘘でしょう??
パニックで頭が真っ白になる。
と、とりあえず、マリカ先輩に相談しなくちゃ。
慌てて会議室を出ようとしたら、ノック音が響き扉がゆっくりと開いた先に社長が立っていた。
えー!もう来ちゃった!
社長は、部長とは兄弟だけど、目元以外は全く似ていなかった。
背の高い部長とは違って背も低く、少し太っている。
私の目線のすぐ上から社長の鋭い視線が私をギロリと睨んだ。
その視線は私の頭上を通り抜け部屋の中へ向けられる。
部長がいない事実に気付いた社長は明らかに口元をゆがめた。
「あいつはまだか」
「は、はい、あの申し訳ありません!」
あまりに怖い形相で見ていられない私は社長から視線を逸らすべく頭を深々と下げた。