クールな次期社長と愛されオフィス
そのメモには、住所と電話番号、そして『MY CAFE』と書かれてあった。

「これは?」

「このカフェは小樽で人気のあるカフェらしい。他にも色々あるみたいだが、ここが一番アコには参考になるんじゃないかと思う」

「そんなカフェ、どこで知ったんですか?」

「小樽のいくつかの得意先から教えてもらった」

ひょっとして忙しい中私のために聞いてくれたの?

クールな部長の横顔を見ながら感動して胸が震えた。

部長はバッグを肩にかけ直し一台のタクシーの前で手を挙げると、私をそのタクシーに乗せた。

そして、私のジャケットのポケットに一枚のカードを落とし入れる。

「お前が自由に使えるカードを作っておいた。好きに使えばいい」

そう言うと、タクシーの扉をバタンと閉めた。

好きに使えるカードって?

よくわからないけれど、とにかく宇都宮家のすごさは一緒に暮らし始めてから端々で感じる。

一般人にはとても理解できないようなことがたくさんありすぎて。

最近では少々のことでは驚かなくなってる自分に驚いていた。

部長は私の乗車するタクシーが見えなくなるまで見送ってくれていた。

一緒に観光できないのはちょっぴり寂しい。

私も部長の姿が見えなくなるまでずっと車窓から見つめていた。

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