秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。


思わず噛んでしまった私に、柊ちゃんが小さく吹き出す。

「颯人さんに怒られるな」

「だね」

そう言って、二人で顔を見合わせてクスッと笑った。

そして二人で少しそのお笑い番組を見た後、バスタブにお湯を入って交代でお風呂に入った。明らかにぐっしょり濡れた柊ちゃんに先に入るように何度もお願いしたが、テレビがまだ見たいの一点張りで、結局私が上がった後に柊ちゃんがお風呂に入った。

二人ともお風呂から上がった頃にはけっこうな時間になっていて、
夕飯はカップラーメンをすすり少しお惣菜をつまみ‥と、簡単にすませた。


今日は二人とも何だかいつもより疲れていて、夕飯を食べ終えるとすぐに、どちらからともなくベッドではなくソファに眠り込んでしまった。


──のが、いけなかった。

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