秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「そうです。小さな頃から一緒に育ってきた幼なじみがやっと結婚するからすごく嬉しいけど少し寂しいだけです」

そう答える声は、
自分でも驚く程淡々としていた。

そしてまたシチューを食べるスプーンを動かす。
冷静を装って装って─‥でも、心の中は動揺しっぱなしだった。
頭がぐるぐるして味がよくわからなくなる。

後から思い返せば、柊ちゃんの事を小さな頃から一緒に育ってきた幼なじみと言ったのも、口を滑らせたその2に違いなかった。

海斗さんも驚いた様子ではなかったし、多分成宮さん経由でご存知だったのだろう。

それにしても、普段は必要以上に誰にも話さないようにしているのに。

自分が動揺しているからなのか、
海斗さんが聞き出し上手だからなのか。

どちらにせよ、
冷静を装うのに必死だった。
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