秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

絶対に遊ばれている。
相手が柊ちゃんならきっと唇をとがらせて睨んでいた。

だが、そうはできない海斗との距離感がもどかしかった。


そんなやり取りをしているうちに二人とも食事を終えた。
食事を終えるタイミングはほとんど一緒だった。昔から食が細くて何を食べるにも人よりもスピードが遅かった。
海斗さん、きっと私にスピード合わせてくれてたんだろうな。

そんな事にふと気がついた時には時計はもうお昼を回っていて、少し余裕のあった店内が急に込みだした。


「そろそろ出ましょうか」

そう言って海斗さんがカタンと席をたった。

はい、と返事をして私も席を立ち、レジに並ぶ。

お会計を済ませてから店を出た。
雨はおさまる事なく降り続けている。

カランカラン‥とドアが鳴り、傘をたてていた傘立てに手を伸ばそうとして─

後ろにいた海斗さんにグッと腕を引かれて遮られた。

えっ、と驚いて振り返ると、海斗さんに気まずそうに目を反らされた。

ますます戸惑って、一体どうしたのだろうと視線を元に戻して─‥


「‥‥‥あ」
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