秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「‥お願いだから謝るな。
いい歳して朝も起きられない俺が百パーセント悪いに決まってるだろ。九条がいなかったらそれこそ間に合わなかったんだ」
いつもより近い距離でそんな柊ちゃんの声が響く。なんだか急に小っ恥ずかしくなって、顎に掛けられていた柊ちゃんの手をほどいて少し離れた。
「そ、それでも、最上社長が朝起きられない事は、大前提じゃないですか。私の責任です」
「九条、絶対馬鹿にしてるだろ」
「してないですよ。‥あ、最上社長、お昼はどうなさいますか?その、すみません、今朝はお弁当が間に合わなくって‥‥」
柊ちゃんはグループの社長さんであり、節約したりする必要はないのだけれど、いつもは柊ちゃんからの希望でお昼は毎日お弁当を作っていた。
ただ今日はさすがにそんな時間はなくて、作ることができなかったのだ。
「近くのレストランを予約しましょうか?あ、それとも出前を‥」
そういってスーツのポケットからケータイを取り出すと、柊ちゃんから慌てて止められた。
「ちょっと待って。じゃあ今日は一緒に社員食堂行こう?」
「へっ?」