秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「最上社長は、どれになさいますか?」

「んー?じゃあ俺もハンバーグで」

「社長も、味覚がお子さまですね」

そう言ってふふっと笑うと、柊ちゃんから頭を軽くどつかれた。




そうして食券を買いハンバーグをお盆に載せて、ちょうど開いていた二人席に向かい合う形になってお昼を食べ初めた。

結局、柊ちゃんはハンバーグだけじゃ足りないかもなんて言って、結局豚の生姜焼きも追加する。

「社長すごいですね。‥そんなに入りますか?」

ハンバーグも生姜焼きも、どちらも思っていたより結構ボリューミーだ。

普段から結構大食いな柊ちゃんだけど、これは大丈夫なの?と心配になってそう尋ねると、柊ちゃんが急に意地悪な顔になって答える。

「入るよ?─九条もこの位食べないといつまでも小っこいままだぞ」

「‥‥‥‥!今から食べてもどうせ成長期止まってるもん‥‥‥‥と、止まってますから」

痛い所を疲れて、動揺してついタメ口がでてしまい慌てて訂正する。

うう‥‥会社だと、思い切り反撃できないのが辛い。

柊ちゃんが、そんな私が可笑しくて仕方がないというように意地悪な顔のまま声を抑えて肩を揺らしながら笑う。

確かに私の身長は低い。人より高いヒールを選んで履いて誤魔化しているけれど、それでも157にやっと届くか届かないか。

顔が地味な分、せめて身長が欲しかったな。

そんな事を思いながら姿見をみて、ちんちくりんな自分にため息をついた日はもう数えきれない程だ。

スタイルもよくて、神に二物も三物もあたえられた柊ちゃんが羨ましい。

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