秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「社長、笑いすぎです」
そう言って小さく柊ちゃんをにらみつけると同時に、ポケットの中で携帯が震えた。
―誰だろう?
ポケットから携帯を取り出して、一瞬驚く。
着信: 最上 光一
光一さんは、この会社の副社長であり柊ちゃんの叔父だ。私も小さな頃から面識がある。クールで基本的にはいつも無表情で淡々としているけれど、悪い人じゃない。
ただ、柊ちゃんは光一さんの事が苦手‥というか、目の敵にしているのだ。
「ちょっとすみません」
そのまま携帯をもって席を立とうとすると、出ていこうとする私の腕を柊ちゃんからつかまれる。
「ここでいい」
「え‥‥」
「いいから出て、電話」
「はい」
柊ちゃんの顔が少しだけ怖くて、光一さんからの電話だってばれたのだと気づいた。
コクリと小さく頷き、食堂内も電話ができるくらいには落ち着いていたので、受信ボタンをスライドさせて電話に出る。