半身。然るに片羽。

「静流、今日も可愛いな」

「一葉に愛されているからね」

年齢を重ねて益々艶やかになった静流の頬に右手を添えて、朝の幸福を味わう。

「…ん」

「本当に、可愛い」

ふふっと笑って俺の胸で甘える静流。

「行ってきまー、って、ちょっとお二人さん。あたしも思春期なんでー。イチャイチャはあたしが出てからでも良くないですかー?」

「「イヤー」」

「同時に言う?」

可愛い奥さんと可愛い娘。

「あ、緑。今日瑞葉ちゃんが来るから早く帰って来なさいね‼︎」

「またー?瑞葉ちゃんも迷惑だよねー。1人暮し満喫中なのに、何回も呼び出してって。うるさいオトンからいつ解放されんだか…」

生意気に言い返してくる、緑。
静流にはかなわないのに…

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