半身。然るに片羽。

「マジ?」

次の日。
登校途中で出会った桃に話したら、第一声がこれだった。

「予定日は1月だってさ。まーねー。新婚だから。頭では分かってんだよ、でも、なんでか衝撃的だったんだよ⁉︎」

俺の言葉は自分でも感じる程、変。

「違くて!俺のマジは、俺も言えなかったけど…俺んちも、下に、さー」

「マジでー?」

桃には既に5つ下に妹がいる。

「でも、一葉の母ちゃんはまだ40前じゃん?俺んちは45歳で出産だぜ?高齢出産だから、父ちゃんがビビっちゃってさー。家中大騒ぎなんだよ」

桃の家は酒屋で、今時珍しく、曾祖母、祖父母の7人家族の大所帯なのだ。

「俺んちの予定日は12月だよ、年末年始忙しい時にさー。はー」

との感想は、板倉酒店の跡取り息子には申し分ない商売気のあるやつで頼もしいのかもしれないけど。
もう少し、おばさんの体の心配もしてやれよと、大きなお世話を俺は思ってた。

昨日この話を俺にしたかったのか。

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