半身。然るに片羽。

「去年親が再婚しました。本日より正式に合尾一葉(アイオカズハ)になります、よろしくお願い致します」

ざわついたのが気にいらねーけど、勘ぐられて1人1人来られたんじゃたまんねーから宣言してやったまでだ。
憮然とした顔を隠しポーカーフェイスのままドカッと座る。
後ろ椅子が鳴るのが分かった。

「…春休みに隣の市から引っ越してきました。相川静流(アイカワシズル)と言います。よろしくお願いします」

肩までの黒髪がお辞儀と同時にフワッと揺れた。

次は桃だった。

「板倉桃真(イタクラトウマ)です。親しみを込めてモモちゃんって呼んでね?」

「桃ちゃーん」

「はーい!よろぴく!」

…バカだ。
…バカなクラスだ。
桃もノリの良い女子も。

アレが俺の親友とは思いたくもないが…

チラッとのぞくと相川の口の閉じ切れてないバカッ面が見えた。


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