ONE LOVE
「ろくでなし?」

俺は意味が解らなくて聞き返す。


「結局、誰でも良いんでしょ?あんたは。」

チハルが笑いながら言う。

「…お前も…だろ?」

そう言って俺は天上を見上げた。
古いアパートの天上は今にも落ちてきそうな感じだ。


いっその事、落ちて来てこのまま埋もれても構わない。

こんなつまらない人生、早く終わったほうが良いかもしれない。


「…アタシも…か。」

少しため息混じりで言うチハルの声が妙に寂しげに聞こえた。

頭を撫でてやろうかと思ったけど辞めた。


チハルもきっとそんなこと望んでいない。

ふと、時計を見るともう昼過ぎだった。
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