ONE LOVE
「…ミツくん。」


俺の背後にいたのは、モデルばりの体型をしたミツくんだった。


短い黒髪に、キラキラと輝くシンプルなシルバーのピアス。

普段はカジュアルな服装なのに珍しくスーツを着ているミツくんに俺は目を丸くした。


「どうしたんすか?その服。」

そう言うと、ミツくんは少し照れ笑いをしながら自分のスーツを眺めた。

「…似合わんやろ?今日社長に会いにいくねん」


ミツくんは俺の働くバーの店長だ。
若干24歳の店長に、社長も期待していると店のバイトから聞いた。

今住んでいるアパートも、あのバーも、ミツくんに紹介してもらった。

関西出身のミツくんは気さくな性格で、みんなに慕われている。
そして何より俺の恩人なんだ。
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