理系教授の秘密は甘々のはじまり
波実は部屋の露天風呂からあがると、就寝用の浴衣に着替えた。

交代に真澄が露天風呂に向かった。

波実は、脱いだ着替えをバッグにしまうと、化粧水で肌を整えてから自分用と決めた方の布団に入った。

お酒が入った体がお風呂であたたまって、程よい倦怠感が波実を襲った。

"眠い"

布団にくるまった波実は、いつのまにか眠りに落ちていた。

「,,,おい、波実、寝たのか?」

自分を呼ぶ声に驚いた波実は、パッと目を見開いた。30分くらい寝ていたのだろう。少し頭がスッキリしていた。

時計は22時30分。いつもならまだ漫画か小説を読んでいる時間だ。

ぼんやりしていた頭が次第にはっきりするにつれ、波実は今の現状に驚いて身をよじった。真澄が自分用の布団ではなく、一人用の波実の布団に潜り込んでいたから。

「教授、自分の布団で寝てください!」

「まだ、波実の返事を聞いてない」

腰に腕を巻き付けて耳元で囁く真澄はずるい。

「それに、片時も離れたくないんだ」

そう言って、首筋から鎖骨にかけて唇を這わせてくる。

「ちょ、教授,,,」

「真澄だろ。早く答えろよ」

秘密を打ち明けた真澄は甘々だった。こんなに強引で甘えん坊で執着気質だとは思いもしなかった。

波実は、そんな真澄を知れば知るほど好きになっていると思う。

23年間喪女でいたのも、別に貞操を守っていたわけではなく、誰かを好きになったり、体をあずける機会がなかっただけだ。

波実は覚悟を決めて真澄に本音を告げた。
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