理系教授の秘密は甘々のはじまり
旅館に帰ると、離れの居室には夕飯の前菜が運び込まれていた。
「おかえりなさいませ。お品書きの順にお料理をお持ちします。それ以外に必要なものがございましたら、内線でお知らせ下さい」
仲居がそう言って立ち去ると、真澄が波実に日本酒をついでくれた。
「波実、何か飲みたいものは?」
「いえ、これで十分です」
お酒が強くない波実は、日本酒だけでも酔っぱらいそうだ。部屋に設置してある急須にお茶も準備しておく。
真澄は食事中、さっきの告白については触れてこなかった。
美味しい食事に満足した二人は、今日の学会の反省や、東京に残っている仲代と早島のことなど、差し障りのない話で終始した。
しばらくして、
食事を片付けに来た仲居が、二人分の布団を敷いて去っていく。恋人同士と思われているのだろう。もちろん、二組の布団は並べて敷かれていた。
「露天風呂に入ってこいよ」
渡月橋まで出掛けたのだ。露天風呂には入ったが、秋とはいえ多少の汗をかいている。波実は内心ドキドキしていたが、覗かれることはないだろうと、素直に頷いた。
部屋に併設されている露天風呂は快適な広さで、本館の露天風呂と同様にお風呂を囲う木々がライトアップされていた。空に浮かぶ満点の星と真ん丸の月が綺麗だ。
今日は、長い長い一日だった。学会発表に始まり、神社の参拝、嵐山観光。そして真澄の告白。
波実は素直に嬉しかった。素の自分を受け入れてくれて、大学院での自分も認めてくれている。趣味も同じ。
そして何よりイケメンで教授というステイタスもある。
「私なんかにはもったいないのに」
素の真澄を知っても嫌いにならない女性はたくさんいると思う。でも、素の波実を好きになってくれる人はこの先いないかもしれない。
秘密を知られてばらされたくないという思いが根底にあると思われる真澄には申し訳ないが、こんな自分でも彼女にしてくれるのだろうか?
波実はブクブクと鼻までお湯に浸かると、大きな溜め息をついた。
「おかえりなさいませ。お品書きの順にお料理をお持ちします。それ以外に必要なものがございましたら、内線でお知らせ下さい」
仲居がそう言って立ち去ると、真澄が波実に日本酒をついでくれた。
「波実、何か飲みたいものは?」
「いえ、これで十分です」
お酒が強くない波実は、日本酒だけでも酔っぱらいそうだ。部屋に設置してある急須にお茶も準備しておく。
真澄は食事中、さっきの告白については触れてこなかった。
美味しい食事に満足した二人は、今日の学会の反省や、東京に残っている仲代と早島のことなど、差し障りのない話で終始した。
しばらくして、
食事を片付けに来た仲居が、二人分の布団を敷いて去っていく。恋人同士と思われているのだろう。もちろん、二組の布団は並べて敷かれていた。
「露天風呂に入ってこいよ」
渡月橋まで出掛けたのだ。露天風呂には入ったが、秋とはいえ多少の汗をかいている。波実は内心ドキドキしていたが、覗かれることはないだろうと、素直に頷いた。
部屋に併設されている露天風呂は快適な広さで、本館の露天風呂と同様にお風呂を囲う木々がライトアップされていた。空に浮かぶ満点の星と真ん丸の月が綺麗だ。
今日は、長い長い一日だった。学会発表に始まり、神社の参拝、嵐山観光。そして真澄の告白。
波実は素直に嬉しかった。素の自分を受け入れてくれて、大学院での自分も認めてくれている。趣味も同じ。
そして何よりイケメンで教授というステイタスもある。
「私なんかにはもったいないのに」
素の真澄を知っても嫌いにならない女性はたくさんいると思う。でも、素の波実を好きになってくれる人はこの先いないかもしれない。
秘密を知られてばらされたくないという思いが根底にあると思われる真澄には申し訳ないが、こんな自分でも彼女にしてくれるのだろうか?
波実はブクブクと鼻までお湯に浸かると、大きな溜め息をついた。