七色ペンダント
「なんだろ、な。最近、昔の事をよく考えるの」
「昔?戻りたいの?」
「戻りたくは、ない、かな。」
「どうして?」
「私の居た所は一言で言うと残酷。仲間を大切にすればする程後で辛くなる、そんな所だった」
「俺には文の居た場所がどんな所だったのかなんてわからない。でもこれだけは言える。仲間を大切に思った事は後悔することなんかじゃない。
大切に思えるってことは信頼出来る仲間がいたってことだよ。そんな仲間、一生の中で何人会えるかだよ。
俺が皆と会えたのなんて奇跡だ。俺は皆を信頼してるし、大切に思ってる。
これから先何があろうとその気持ちは変わらない。自分がどんな形で死のうと皆と歩んで来た事は後悔しない。むしろ誇りに思うよ」
「平助くん.....」
「後悔したって思うのは、それほど仲間が大切だったって事だよ」
「うん」
「はっ、なに俺語ってんだろ。いやー、こんなバカに語られても困るよな」