35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
坂井さんに言わせれば、飼い主同士のネットワークや動物病院、ペット美容室などに問い合わせしただけだと言うのだが。
またも頼ることになってしまった。

しかし今回はさすがに翼がある生き物。となると捜索範囲は膨大になる。果たして見つかるものだろうか。
まさかコイツうちで飼うとか言わないだろうな・・・。
果菜を見ると、肩に乗せたインコと会話を続けている。


「進藤さま。そちらで保護していただいているのはおしゃべりをする水色のインコではないでしょうか?」
坂井さんに”インコがうちのテラスに迷い込んだ”と告げただけでこの答え。
驚いた顔をしていると、果菜がどうしたの?と首をかしげている。

「もしかしたら”しーちゃん”と言っていますか?」
その通りだと言うと「直ちに引き取りに参ります」とすぐにペット用のケージを持った坂井さんが現れた。

聞けば、コレは近くのマンションで飼われていたインコだったのだが、この人は近隣のマンションで逃げ出したものまで把握しているのか?と驚いた出来事だった。

ーーーコンシェルジュの坂井さんが引き取りに来るまでの15分間、果菜としーちゃんはしゃべり続けていたのだった・・・。

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