君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「葉月も飲むだろ? 俺、実は朝が弱くて、コーヒーを一杯飲まないと頭が働かないんだ」


さっきの会話、十分すぎるほど働いていたと思いますけど?と言いたいのはこらえて、彼の隣に向かう。


「私やりますよ」
「サンキュ。その棚からカップ出して」


彼に指示され真っ白なカップとソーサーを取り出す。

一見どこにでもありそうな食器だったが、チラリと裏底を見てやっぱりと思った。
某有名メーカーのものだ。

この辺りのクラスのメーカーで鮮やかな装飾が施されたものは、セットで二十万円を超えることも珍しくはない。

それも三谷商事で扱っていて偶然知ったんだけど。

真っ白ならそれほどはしないとはいえ、飲むのも緊張してしまう。


豆から挽ける立派なコーヒーメーカーが香ばしい香りを放ち始めた頃、ふと視線を外に送ると、目前に広がる景色に驚き声も出ない。

階層が高いおかげで遠くに海まで見える。
本当に高級ホテルに泊まったみたいだ。
< 104 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop