君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
鼻でふんと笑う秘書は、どうしてそこまで一ノ瀬さんをさげすむのだろう。
彼の仕事ぶりを知らないくせに!

一ノ瀬さんがなにも言わないので、私のほうが腹が立ってきてしまった。


「お言葉ですが、ライフテクノロジー事業部は底辺の事業部ではありません。伸びしろがある素晴らしい部署です。私はライフテクノロジー事業部に勤務できて幸せです」


なんと一ノ瀬さんは、自分への嫌味については触れないでおいて、ライフテクノロジー事業部を守るような発言をしてくれる。

それは私たち、所属員にとってうれしい言葉だった。

三谷商事の売り上げは、石油や鉄鋼といった部署が大部分を占めているのが現状ではあるものの、私たちだって必死に頑張っているつもりだからだ。


「はは。負け惜しみってやつですか。ま、せいぜい頑張ってください」


秘書は好き勝手言い放ち、立ち去っていった。


「北里。聞いてたのか」


それからすぐに、一ノ瀬さんが私の存在に気がつき声をかけてくれる。
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