君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
ん? 今、聞き捨てならないことを言われたような。


「一緒に暮らすって?」
「あぁ。俺、本当はすぐにでも葉月と同棲したいと思ってる。同棲なんて中途半端な状態がイヤなら結婚でもいい。まだその気にはなれないみたいだから待つけど」


まるで『当然だろ』とでも言いたげな顔で、飄々と語る彼に目が点になる。


「結婚って……」
「言っただろ。逃がさないって」


そんな。私は仕事があればいいのに。
動揺で視線が宙を舞う。


「私……無理です。悠馬さんは誰か別の女性を——」
「それなら、俺も一生ひとりでいる」
「えっ……」


彼はテーブルの上の私の手を握り、強い視線を送ってくる。


「俺は、葉月しかいらない。葉月と結婚できないのなら、独身のままでいい」


肌が粟立ち、胸が震える。
そんなに強く思ってもらえるような女じゃないのに。

そう思う一方で、凍りついていた心が解け始め動き出したような気がしていた。
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