君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
一度浮気されたあと、『二度と泣かせない』という哲也の言葉を信じた。
それなのに見事に裏切られた私は、もう一度恋に踏み出そうとは簡単には思えない。

失うかもしれないとビクビク生きていくのはつらすぎる。
今の関係で十分だった。


「そんなことはありません。帰ります!」
「怒るなよ。好きなんだから仕方ないだろ?」


彼は平然とした顔でさらりと愛の告白をしたあと、きちんと車で送り届けてくれた。


仕事では悠馬さんが、見事なまでにライフテクノロジー事業部の陣頭指揮を執っている。

あっという間に二年間にあった出来事を把握して、新たに増えた得意先には一緒に挨拶に行き、私たちのフォローをしてくれた。

私は、ドゥシャインとの契約が着々と進み、私の知識を絶賛してくれる本城副社長が、シリコーンオイルだけでなく他の原料まで興味を示してくれて、ドゥシャイン側の要求に応えるべく原料メーカーに製品の改良を掛け合い中だ。
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