君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
彼は苦々しい顔で吐き捨てる。


「泣きついてなんてない」


だってあなたとのことがあってから、実家にも帰れなくなったのよ?


「嘘つき女が。最低だよ、お前は」


どうしてこんなにさげすまれなくちゃいけないの?

もしも両親が、私のことを慮ってそういう行動をしたとしても、そもそも悪いのは婚約しておきながら浮気をしたあなたでしょ?


「お前の婚約なんて、壊してやるよ」
「残念だが、それは無理だ」


哲也が私に詰め寄ったとき、うしろから大好きな人の声がした。


「俺は彼女にベタ惚れでね。他人の意見なんかで左右されるようなやわな気持ちじゃないんだ」
「あんたか。彼女の婚約者は」


どうしてもういるの?
まだ電話をしてから十分も経ってない。

頭が真っ白になったものの、私の前に盾になるように立ってくれた悠馬さんを見て、安堵の涙がこぼれそうになる。

彼がいてくれるだけで、こんなに心強い。
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