君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
手を抜いているわけではない。
一応、フルメイクしているけれど、控えめなだけ。


「それではユーマは無理よ?」


思わぬ突っ込みが入り、ドキッとしてしまう。


「部長がどうかしました?」
「ミス北里、ユーマのこと好きでしょ? 私がそばにいると怒ってます」


まさか彼女にそんな指摘をされるとは予想外だった。


「怒ってません。私はいつもこんな感じですから」
「ふーん」


彼女は意味深な相槌を打つ。

なんなの、もう!
ちょっと腹を立てながら先を急いだ。


原料メーカーでは、あらかじめ釘を刺しておいたからか、キャシーさんは価格については口にしなかった。

だけど、あちらの男性担当者がいつもより饒舌で、キャシーさんの日本語のうまさや容姿を褒めちぎっていて、なんとなく理不尽に感じる。
ただの嫉妬だけど。


数種類のサンプルを手に入れ、アメリカに持ち帰って検討すると伝えてから、再び車に乗り込むと、キャシーさんが私をじっと見つめている。
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