君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「これで踏ん切りもついただろ。次の恋をしてくれるといいな」


悠馬さんは小さくなったタクシーを見つめてつぶやいた。

そうか。このキスは、彼女に次に進んでほしくてしたんだ。


「それにしても……」
「ん? 耳が赤いのはお酒のせいかな?」


指摘され、慌てて耳を両手でふさぐ。


「そうですよ、もちろん!」


目をキョロキョロさせて言い放つと「いつまでも初々しくてたまらない」なんて囁かれ、頬が上気するのがわかる。


「嵐のような四日だったな」


彼は夜空を見上げる。


「はい。キャシーさんのパワーに圧倒されましたけど、私も負けないように頑張ろうと思いました」


私はこうして悠馬さんの隣で同じ星を見上げることができる。
それを当たり前だと思わずもっと自分を磨いて、この先ずっと彼と一緒に歩けるようにしよう。


「そういうところが……」


彼はそこで口をつぐみ、私の耳に手を当てる。


「好き、なんだ」


そして色気を纏った声で囁いた。
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