君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
すると悠馬さんがそのたびに顔をしかめる。

「いや、俺も休むよ。病院に行こう」
「なに言ってるんですか? 病院に行くほどではありません。すぐに治りますから会社に行ってください。部長が遅刻しちゃ示しがつきません」


少し強めに言うと、悠馬さんは渋々出社していった。

仕事ではなにがあっても動じない彼の意外な一面に、ちょっとびっくりしている。

しかし、時間が空くと電話をくれる過保護な彼に『もう熱は下がりました』と嘘をつかなければならないほどだった。

たしかに体はだるいし、なにも食べたくない。
だけど、それほど深刻というわけでもない。

ただ、発熱のせいで体力が奪われているのか、うとうとする時間が長く、悠馬さんが帰って来たことにも気づかなかった。


「あっ……」


額に冷たいタオルが乗ったことに気づき目を覚ますと、彼が心配そうな顔をして私の顔を覗き込んでいる。


「熱、まだあるじゃないか」
「昼間は下がっていたんです」


なんて、ちょっとした嘘をついたりして。
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