君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「目が潤んでる。そんなにつらい?」
「これは……そうじゃなくて」


うれし涙のほうだ。


「それじゃあ……俺と同じ気持ちかな?」


彼は私をじっと見つめてにっこり微笑む。


「多分」


見られているのが恥ずかしくなりうつむいて返事をすると、グイッと腰を引かれ抱きしめられてしまった。


「幸せにする」
「はい」


哲也のことがあり、あきらめていた最高の幸福が訪れた瞬間だった。



私たちはそのあとタクシーで帰宅した。

着物を脱いだあと、翔さんが私のために作ってくれた淡いピンクのワンピースに着替える。
今日の桜のつぼみを連想するような優しい色だ。

頑張ったご褒美にまた、レストランのフルジェンテに連れていってくれるんだとか。


「あのお店、すごくおいしかったのでうれしいです」
「好きな物食べて。ワインも好きなだけ」
「酒豪みたいな言い方はよしてください」


それほど強いわけじゃないのに。
反論すると彼はクスクス笑っている。

結婚を許された私たちは、笑顔が止まらない。
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