君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
婚約破棄から、つらく涙する夜もあった。
もう一生、ひとりで生きていくんだと覚悟もした。

しかし、彼が失敗は終わりじゃないと教えてくれたから、今こうして最高の幸せを手にすることができている。


「もちろんだよ。俺も負けないように頑張らないと。ふたりでもっと上を目指そう」


彼は柔らかな笑みを浮かべ、私に視線を絡ませる。


「はい」


悠馬さんのビジネスマンとしての腕は一流で、部長として部下を引っ張る能力に長けていることは、もう周知の事実だ。

だけど彼がまだ満足していないことを私は知っている。
常に高みを目指している姿は尊敬に値する。

私も彼にならって、より高いところに進んでいければいいな。


それからふたりでおいしい料理を楽しんだ。


「このお魚すごくおいしい。どうやって作るんでしょう?」
「葉月。いきなりこれを作るのは無茶だぞ。とりあえず塩焼きから」
「ふふふ。この前の辛すぎましたもんね」


ちょっぴり苦手な料理も、少しずつ前進していけるように頑張ろう。
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