君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
彼は少し困った顔をして続ける。


「今回も随分無理をさせたと思う。俺は一生葉月だけを愛するし、その気持ちに偽りはないけど、それは葉月に犠牲を強いることにならないかと」


そんなことを考えていてくれたんだ。


「だけど、日に日に好きな気持ちが増していくんだ。勝手かもしれないけど、やっぱり我慢できない。葉月と一緒に生きていきたい」


彼がそこまで私のことを心配してくれていたなんて感無量だ。


「私、犠牲なんて思ってません。今回の着付けもお茶も、大変じゃなかったとはとても言えませんけど、悠馬さんとの未来のために努力できる自分は嫌いじゃないんです」
「葉月……」

「それに、海外のクライアント相手でもバリバリ仕事ができるかもしれないなんて、商社マンとしての自信までつきましたし」


今までだってひとつずつスキルを身に着けて、できることが増えてきた。
それと同じことだ。


「この先、悠馬さんの妻としても、商社マンとしても、なにがしでかしてしまうかもしれません。でも、そのあと必ず挽回します。だから、そばに置いてください」
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