君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「なんでお前が泣きそうなんだよ」


彼は私の頭をポンポンと叩く。

それからすぐに、タクシーは小高い丘の上にあるレストランに到着した。
彼は予約をしておいてくれたらしく、個室に案内される。


「ここのシャトーブリアンがうまくて。インドじゃ食えないだろうし、北里と一緒に堪能しておきたいなと思って」


彼は平気な顔をしてインドの話をするが、私はそのたびに胸が痛くて笑顔を作れない。


「コースでいいよね? せっかくだからワインも飲もう」


彼は頭が真っ白でうまく反応できない私に一応確認してからオーダーしている。
すぐに赤ワインが運ばれてきて、乾杯は済ませたものの、飲む気になれない。


「嫌いだった?」
「違います」
「はー。まさか俺の転勤くらいでそんなに落ち込むとは思ってなかった。北里は、もうひとり立ちできるぞ。なにも不安に思わなくていい。困ったら電話してくればいいし、日本との架け橋をするために行くんだから、距離は離れるがこれからも一緒に仕事をしよう」
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