君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「……えっ?」
「このほうが早そうだ。何階?」
「五階ですけど、歩きますから」
「いいから黙って」


彼はそのままエレベーターに乗り込んでしまった。


「酔ったのは俺のせいなんだろ?」
「あれは言葉のあやってやつで……」


寂しくて飲みすぎたのは本当だけど。


「こんなことでもないと、お前を抱きしめられないからな。あっ、セクハラだな」


抱きしめているわけじゃなく、仕方なく運んでいるんだと思う。


「そこの右手の部屋です。ありがとうございました」


部屋の前で下ろしてもらい、頭を下げる。


「もうすぐに寝ろ。風呂に入ったら溺れそうで心配だ」
「そうします」


朝、シャワーを浴びればいいや。


「それじゃ、おやすみ」


一ノ瀬さんはにっこり笑ってからくるっと背中を向けて離れていく。
その姿を見ていると、また寂しさがあふれてきてしまう。


「一ノ瀬さん。いつ、帰ってきてくれますか?」


大きな背中に向かって問いかければ、振り向いた彼はつかつかと歩み寄り私を腕の中に閉じ込めた。
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