君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「あぁ。北里に負けないように頑張らないと。俺がさぼってたら、ちゃんと叱れよ」
「叱るって……」


思わずクスッと笑ってしまった。

そんなことがあるはずもない。
志高い彼が手を抜くわけがないからだ。

しかも、私が彼を叱るなんてありえない。


「北里は笑っていたほうがいい。お前は時々ここにシワが寄ってるからな」


彼は私の眉間を指でトントンと叩く。


「気をつけます」
「うん。それじゃ、ありがと」


一ノ瀬さんが大きな手を差し出すので私は握り笑顔を作った。

もう一度、必ず一緒に仕事をする。
そんな決意を新たにしながら、彼を見送った。


一ノ瀬さんがいなくなってしまうと、心にぽっかりと穴ができてしまい、彼の存在の大きさを改めて知った。

それでも、見知らぬ土地で一から新規開拓をしているであろう彼に負けるわけにはいかない。

何年かして戻って来たとき『成長したな』と言ってもらえるように頑張ろう。
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