君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「式の話は進んでる?」
「ううん、まったく。なんか実感なくて」


哲也と一緒に暮らすというビジョンがまったく見えないのはどうしてだろう。


「彼、なにも言わないの?」
「そうね。男の人って挙式にはあまり興味ないんじゃない?」
「挙式だけじゃないわよ。入籍をいつするかとか、新居の話とか」


静香の言うことはもっともだ。
おそらく普通はそういうことに胸をときめかせる時期なのだろう。

哲也にプロポーズされたときは、飛び上がるほどうれしかったのに。

結婚という人生の一大イベントに積極的になれないのは、心に引っかかるものがあるのかもしれない。



——哲也と知り合ったのは、大学時代。学内のレストランでたまたま隣合って座り、会話を交わしたのが最初だった。

でも、あとで聞いたら私の隣に座ったのは偶然ではなく狙っていたんだとか。

なんでも、経済学部の彼は情報学部の私を、一年生の頃に一般教養の学科で見かけたらしく、一目惚れしてくれたようだ。
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