君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
「行ったばかりの頃は、日本が恋しくてたまらなかった。だけど、一流の商社マンになりたいのなら世界を見ておかないと。世界の人はなにを必要としていて、どんなスキルを持っているのか。資源はどうか。経済の流れは?」


一ノ瀬さんの表情が生き生きしている。
この人の探求心には敵わない。


「私も世界を見てみたいです」
「いつか一緒に行こう。次はインドじゃないところがいいかな」


私はうなずいた。
果たしてそんな夢が叶うかどうかはわからないけれど、一ノ瀬さんと一緒に仕事をしていると、無限に可能性が広がっていると感じる。


「葉月はどんな世界を見ていたんだ?」
「私は……特になにも」


もうすっかり私のことを『葉月』と呼ぶことに決めたらしい彼が話を振ってくるけれども、彼のように面白い話はひとつもない。

ただガムシャラに仕事をしていただけ。

なんだか情けなくなりうつむき加減で伝えると、隣の彼はポンと私の頭を叩く。
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