愛してるのに愛せない。
プロローグ
「分かった。」

電話を切って、目の前に広がる海を見つめる。

「どこにいるんだ・・・。」

小さく呟いた言葉は、波音に紛れて消えていく。

砂が服や髪にまとわりつく。

もうすぐ夏がくる。

桜は当の昔に散った。

もう一度、君に会うために、俺は動く・・・。

たとえ、この命を捨てても・・・。

君に会うために。
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