短編集
「でも・・・俺はあいつを守れなかった。離さないって強くギュッと握っていた手をあの日あの時離しちまった。」

「あの時・・・・?」

そう言った俺を見て

「死んだんだ。」

「え・・・。」

悲しそうに笑う。

「交通事故で死んだんだ。俺は、たまたま助かったけど、あいつは数メートル飛ばされて・・・即死だった。」

「・・・なんか・・「謝るなよ。」

そう言うあいつに俺は何も言えなかった。

「だから、あの子だけは、大事にしたいんだ。」

そう言ってタバコを消して出て行くあいつの背中を見ていると、今の彼女が駆け寄ってきた。
幸せそうに笑うあいつと彼女を見てると、なんだか切なくなる。

「今度は離すなよ。・・・その右手。」

そう呟く俺を振り返り、あいつはグッと親指を立てた。
聞こえてないくせに・・・。
ふっと笑うと、俺も喫煙所を後にする。

「さーて・・・続きやりますか!」

小さく伸びをして、自分の席へと戻る。
隣のあいつはまだ帰ってこない。

幸せならそれでいい。
あいつにあんな悲しそうな顔は似合わないからな。

「頼りにしてるぜ、相棒。」

俺も相棒なりに、あいつのサポートをするだけだ。

ー完ー
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