天才策士は一途な愛に跪く。
みんなで幸せになる日が来たんだ。
「見せたくないな。」
「えっ、何??どうしたの??」
表情を硬くした聖人に、不安が過る。
「その美しいウェディングドレス姿は危険だよ・・。」
「危険って!?」
私のドレス姿が好みじゃなかったの??
ドレスを見下ろして、似合ってないのかと心配になる。
「アオイや、南條くんにも・・。
他のみんなにも見せたくない。
そんな綺麗な晶を見たら諦めつかなくなるだろ?」
私は聖人の言葉に口をポカンと開けた。
「失敗だな・・。
いつも可愛いけど、ここまでとは・・。
正直驚いた、女神のように綺麗なんだから。
慧の気持ちが理解できるよ・・。」
クスッと笑った私に、
聖人は心底困ったような笑顔を浮かべた。
「私の、聖人くんへの片思いは年期入ってるのに?
貴方だけを、ずーっと想ってるのに・・。不安になるの?」
「そう?でも、年数なら僕のほうが長いよ・・。」
「えっ、嘘だ・・!?」
思いも寄らぬ告白に、私は目を大きく見開いた。
琥珀色の瞳と、薄い茶色の綺麗な髪を
サラッと靡かせる。
私だけの王子様は、揶揄うように笑っていた。
「初めて出会った君の5歳の誕生日からだよ。
ずっと僕には、君だけだよ。そうやって、いつも無自覚なんだから心配は尽きないよ。」
「5歳って・・。そんな昔から!?」
「僕を跪かせられるのは、あの頃から世界でただ一人・・、晶だけだ。」
息を飲んで、見上げた私の頬にベールごしにキスを落とした。
「・・こら。聖人!!フライングだぞ。」
「お兄様・・。厳粛な場なんだから、・・気持ちはわかるけど、落ち着いてください!!」
2人のツッコミに、苦く笑う聖人を見上げて私は声を出して笑ってしまった。
司祭は、ゴホンと咳払いをした。
私は真っ赤になったまま、ベールで隠れていることにホッとする。
「健やかなる時も、病める時も・・。互いに助け合い、愛し合うことを誓いますか?」
宣誓が始まる・・・。
チャペルは静かな静寂で溢れていた。
聖人の父と、母も嬉しそうに私達を見つめている姿が目に入った。
大切な人たちに祝福された幸せな式が幕を開けた・・。
