時を繋ぐ真実の物語<「私の獣」番外編>
額と額を合わせ、不安げな天色の瞳に、アメリは穏やかな眼差しを注ぐ。


「カイル様、覚えておいてください。私が何かに触れていようと、身を横たえていようと、心は永遠にあなたのお傍にあります」


じっと、至近距離でアメリを見つめるカイル。


やがて「ああ」と、カイルは静かに答えた。


そして、優しい笑みを浮かべてみせる。







間もなくして、燭台の明かりがふっと吹き消された。


青白い月明かりだけが頼りの寝室で、今宵も甘い吐息が闇に溶けていく――――。
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