うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「え、遊園地には一度しか来たことがないんですか?」

「あぁ。……今に比べて昔は会社の規模も小さく、父さんは大きくして軌道に乗せようと忙しかったから」

「そう、だったんですか……」

今の子煩悩な社長からは想像できない。水族館もそうだけれど、そういった子供が喜ぶようなところへは、副社長が嫌と言っても無理やり連れていきそうなのに。

園内を歩きながら副社長は話してくれた。

「父さんが俺に対して過保護なのは昔、俺に寂しい思いをさせていたと思っているからだと思う。……昔一緒に過ごせる時間がなかったから、その時間を取り戻ろうとしているのかもな」

「副社長……」

私を見る彼の瞳は、切なげに大きく揺れていた。

そっか、副社長の話を聞いて納得できた。どうして社長が大人になった副社長のことを、あれほど溺愛しているのかを。

子供の頃に愛情をたくさん注ぐことができなかったから、副社長の言う通り昔、してあげられなかった分、尽くしてあげたいのかも。
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