うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
副社長はどんな想いで幼少期を過ごしてきたんだろう。私は物心ついた頃から弟たちがいて、お母さんもその頃は専業主婦だったから寂しさを感じることは一度もなかった。

私が小学生になってから働き始めたけれど、休みの日は色々なところへ連れて行ってくれて、楽しい思い出しかない。

けれど副社長は違うんだよね。私が当たり前に過ごしてきた幼少期とは違うんだ。

「実は父さんと一度だけ来たことがある遊園地がここなんだ」

「えっ?」

驚き声を上げると、副社長は照れ臭そうにハニかんだ。

「思い出の場所に、もう一度キミと一緒に来たかった」

彼の想いに胸がトクンと鳴る。

だらしない顔になりそうで、ギュッと唇を噛みしめ彼を見据えた。

「では水族館に続き、遊園地も楽しみましょう。私、ここへもよく家族で来ているので……」

「スペシャリストなんだ?」

私の声を遮りしてやったり顔で言われた言葉に、目を丸くさせてしまう。
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