うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
今度は立ち止まったまま周囲を見回していると、彼の大きな手が私の手を包み込んだ。

「――え」

突然のことにびっくりし、副社長を見つめてしまう。すると彼は優しく笑う。

「混んできたし、はぐれたら大変だから」

そう言うと私の手を引き、歩き出した副社長。

びっくりして心が追いつかない。けれど繋がれた手からは副社長のぬくもりが伝わってきて、じわじわと今、彼と手を繋いでいるんだって実感していく。

どうしよう、これ。どうしたらいいの?

歩きながらパニック状態に陥る。

たしかに園内はすごく混んでいるし、さっきもはぐれそうになってしまった。けれど恋愛初心者の私にとっていきなり手を繋ぐ行為は、ハードルが高すぎる。

てんやわんやになりながらも、ふと前を歩く彼を見て目を疑った。

だって副社長の耳、真っ赤に染まっているから。

余裕ありそうに見えたのに、もしかして副社長も私と同じ? いっぱいいっぱいになっているの?

それなのにこうして手を繋いでくれたんだ。

そう思うと胸がギューッと締めつけられていく。
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