うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
副社長とデートした日から一ヵ月が過ぎた。その間、一度だけ休日に人目につきにくい映画を見に行った。それと仕事帰りに食事も。

けれどここ二週間は会っていない。それというのも副社長も私も忙しく、なかなか予定が合わなかったから。

けれど会社以外で二回会って、メッセージでやり取りをして。私は副社長の新たな一面を知るたびに、胸をときめかされていた。

だから正直、社長の好意は嬉しいけれど……本当にいいのだろうか。

不安になり、「本当によろしいのでしょうか? 先方に失礼ではないですか?」と尋ねると、社長は気にすることないと言わんばかりに笑いながら言った。

「大丈夫。向こうにも秘書同伴はナシにしようと伝えてあるしな」

向こうの秘書も欠席なら大丈夫なのかな。

そんなことを考えていると、社長はメモ紙になにか書くと、私に渡してきた。

「だからキミは気にせず、廉二郎と食事を楽しんでくるといい。ここを予約しておいたから」

受け取り見ると、料亭の名前が書かれていた。
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