うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「ここ最近、返信がこなかったのは家のことをやっていたからですか?」

再び尋ねると副社長はガシガシと頭を掻き、やけくそ気味に言った。

「あぁ、そうだ。キミに良いところを見せたくて、掃除の行き届いた部屋に招待し、美味しい料理でもてなしたかった。なのに現実はうまくいかない。どうにかしようと夜遅くまで頑張ってみたが、ますます部屋は荒れるばかり。……夢中になるあまり、キミに連絡するのも忘れてしまい、なにもかもうまくいかず、不甲斐ない自分に嫌気がさす」

「副社長……」

なにそれ、そんな理由で連絡が途絶えたり、家に来ないでほしいって言っていたの?

彼はおぼつかない足取りでソファに向かい、洗濯物を退かしてだるそうに腰を下ろした。

「送ることができず申し訳ないが、今日は帰ってくれるか? キミにみっともないところを見られ、余計に体調が悪くなった。……待ってろ、今タクシーを呼ぶから」

辛そうに立ち上がり、寝室へスマホを取りに行こうとする副社長。その姿を見たら、身体が勝手に動いていた。
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