うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
それはある意味羨ましくあるけれど、縦社会の中ではうまく生きることができないと思う。

だから入社当時からなにかと堀内さんのことを気にかけてきたわけだけど……そのおかげで、彼女から絶大的な支持を得てしまった。

上司もお手上げで教育係を任された身としては、やはりここは強く言わないとだよね。

悪気がないとわかっているからこそ言いにくいけれど、心を鬼にして彼女と向き合った。

「こんなに美味しい珈琲だもの。私は他の人にも是非飲んでほしい」

「え……他の人にもですか?」

「えぇ」

彼女の様子を窺いながら頷くと、堀内さんは考え込み始める。

「そうですか……。そうしたら日葵先輩は嬉しいんですか?」

「えっ、それはもちろんだけど……」

嬉しいというか、そうすることで他の同僚と少しでも堀内さんが打ち解けることができたらホッとできる。

その思いで言うと、堀内さんは決心したように大きく頷いた。

「わかりました! 本音を言えば日葵先輩以外の先輩に尽くしたくありませんが、日葵先輩が喜ぶなら……!」

「あ……堀内さん?」
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