うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「え……どうして? ちょっと待ってろ」

突然押しかけた私に、彼は酷く慌てた様子でインターホンを切るとすぐにドアを開けてくれた。

けれどドアの先にいた副社長を見て、固まってしまう。

どうやらお風呂に入っていたようで、Tシャツにハーフパンツといったラフな服装で、彼の髪は濡れていて妙に色っぽかったから。

「あ、あの……」

意気込んできたくせに、いつもと違う彼の姿にドキドキしてうまく話せない。

副社長も尋ねてきた私に戸惑っている。

玄関先でお互いなにも話すことなく立ち尽くすこと数十秒。彼はハッとし私に詰め寄ってきた。

「日葵、ここまでなにで来たんだ? こんな遅い時間にひとりで危ないだろ?」

「あ……ちゃんとタクシーで来ました」

けれど彼は深いため息を漏らした。
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