うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「それでも危ないだろ? そもそもどうしてまたうちに? なにか忘れ物? だったら俺が届けたのに。……心配するから」

「副社長……」

彼の表情や言葉から、本気で心配してくれていることが、ヒシヒシと伝わってきて、胸がいっぱいになる。

思い返せば副社長は、最初から全力で気持ちを伝えてくれていたよね。突発的過ぎて、最初は戸惑い、彼の気持ちを疑っていた。

甘いセリフに心を乱されて、暴走されて辛い思いをしたこともあった。

私の気持ちを理解してくれて、でも不器用で。……こういったさり気ない優しさに胸をキュンとさせられて。

知れば知るほど彼に惹かれ、好きって気持ちが膨らんで初めて人を好きになることができた。

もしかしたら彼との未来は、途絶えてしまうかもしれない。だからこそ、後悔ないように今の気持ちを、そして彼と過ごせる時間を大切にしたい。

「わかったか、日葵」

顔を近づけて注意してきた彼の声が怒っているけれど、顔は怒っていない。その証拠にボソッと付け足すように言った。

「でも、こうしてまた少しの時間でも会えて嬉しいよ」って。
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