うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
『これまでの俺は、勤務中は仕事のことしか考えられなかった。……なのに最近は仕事中にもかかわらず、キミのことを考えてばかりで……。これがキミの言う、誰かを好きになる気持ちじゃないだろうか?』

だからこそ今度は私が聞かせてください。今、私がお話した気持ちが、誰かを好きになる気持ちですよね?

ジッと彼を見つめ答えを待つ。するとギュッと唇を噛みしめた彼は私の腕を引き、思いっきり抱きしめた。

苦しいほどきつく抱き寄せられ、やっぱりドキドキして胸が痛い。――それと同時に嬉しくて幸せな気持ちで満たされていく。

副社長は私の髪をクシャッと撫でた後、擦れた声を漏らした。

「俺もキミと同じだ。社内ではいつもキミの姿を探し、メッセージひとつで嬉しくなる」

ゆっくりと身体を離され、至近距離で見つめ合う私たち。
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