うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
おはようのキスがしたい、だなんて――。

「そんなことを言われては、ますます顔を出せません」

いっぱいいっぱいの私には、おはようのキスだなんてハードルが高すぎる。

「じゃあ無理やりする」

「――えっ、わっ!?」

勢いよく布団を剥がされ、彼と目が合う。

ドキッとしたのも束の間、すぐにキスが落とされ、今度は直にギューッと抱きしめられた。

「今度こそ、本当のおはよう」

「……おはよう、ございます」

もう、どうしてこんなに廉二郎さんは余裕なの?

それがなんか悔しくて、顔だけ上げて彼を見据えた。

「本当に廉二郎さん、私が初めてなんですか?」

とてもじゃないけれど、私はそう感じなかった。今だってそう。

思わず聞いてしまうと、彼は目を瞬かせた後、「当たり前だろ?」と言う。だけど納得なんてできない。

「でも廉二郎さん、余裕があってとてもじゃないですけど、初めてとは思えませんでした」
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