うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
こんな幸せな気持ちを知ってしまっては、もう彼と離れることなんできないんじゃないかな。

この先もずっとずっと、廉二郎さんのそばにいられますように。そう願うばかりだった。



その後も会えない日が続いたりすることもあったけれど、廉二郎さんとの交際は順調だった。

彼のマンションでふたりの時間を過ごしたり、私の実家で家族と一緒に過ごしたりと、楽しくて幸せな時が流れていった。

そんなある日。社長のサインを頼みに向かうと、書類に目を通しながらまったく仕事とは関係ないことを言ってきた。

「なぁ、井上くん。そろそろ私もキミのご両親に挨拶に伺うべきではないだろうか? いや、もういっそのこと結納を済ませてしまおうか?」

人差し指を立てて提案してきた社長に、ため息が漏れる。

もう同じことを何度言われてきたか。言われ過ぎて頭が痛くなってきた。

「社長、何度もお話しておりますが……」

「まだ早いんだろ? わかっているよ」

私の声を遮り言うと、社長は背もたれに体重を預けた。
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